はりね。のサックス日記

竜の歌声に恋をした【僕が大人になってからサックスを始めた理由】

はりね。サックスを始める

サックスとの出会いは社会人になってからである。

 

サックスの音色に初めて心躍らされたのは高校生の時である。

 

サックスと初めて出会い、向き合うまでの期間は、とても長かった。

 

僕が生まれ育った場所は、北海道の、とある田舎町。

 

小学校と中学校までは全員、決まった進路を辿る。

 

同じ仲間で、同じ中学へと上がる。

 

部活動の数も少ない。

 

僕が行っていた中学校には吹奏楽部はなかった。

 

時代もインターネットが普及しているわけでなく、

 

楽器の音色と言えば、テレビで流れている物ばかり。

 

サックスをテレビで見る機会があるだろうか。

 

あまりありません。

初めて聞く音、それをサックスとは知らない

高校生に上がり、僕は部活動に専念していた。

 

そして、生徒会長になった時、初めて楽器の音に耳を傾けた。

 

午後4時ごろ、薄暗い廊下を歩いていた。

 

音楽室の前を通ると、いろいろな音が僕の耳に入ってきた。

 

音楽に一切興味のなかった僕には、感動の音色でも雑音でもなく、

聞き流すスズメの鳴き声の様な音に感じていた。

 

でも、その中に、僕の好きな音があった。

 

まるで、空を両手を広げてギュイーンと飛び回るような音。

 

かと思えば、固まった心をフニャフニャにほぐすような音。

 

でも、僕の頭にはこんな考えがある。

 

楽器という者は小さいころからやっているものだ。

 

楽器というのは金持ちのやる事だ。

 

だから、自分が楽器をやる事なんて、微塵も頭にはよぎらなかった。

 

ただ、好きな音色だ。

とだけ思った。

音の正体を知る

大学生のころ、自分の通っていた大学の野球部の応援に行った時のことだ。

 

吹奏楽部が球場へ応援しに来ていた。

 

演奏していた曲は、中学校の時に聴いた様な曲とは違い、よく聞きなれたポップスだった。

 

その中に、中学生の時に聴いた、僕のお気に入りの音がいた。

 

幼い時に、かくれんぼした時の様な感覚。

 

「ほらここだよ。」

 

なんて姿の見えないところから声を掛けられている様な気分。

 

目の前にいるのは知ってるけど、

音の居場所が分からない。

 

結局、その時も見つけられなかった。

 

大人になり、僕は社会人になった。

 

ある日、

 

警察官の方と合同でイベントをやった時、僕が警察官の方と打ち合わせをしている中、

会場ではカラーガード隊と音楽隊の方が音合わせをしていた。

 

音合わせの風景を、何気なく眺めていた時、僕は再会した。

 

金色の竜の様な楽器から、僕が恋い焦がれ続けた音が出ていた。

 

僕の目には

まるで、竜が歌っている様に見えた。

 

勝手に心の中に流れた僕の声は

 

「君だったんだ。」

 

そして、

 

強くて優しい歌声の正体を知り、

僕はその日の夜、楽器店へと向かっていた。

 

つづく。

竜の歌声に恋をした【僕が大人になってからサックスを始めた理由】第二章

 

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