旅
嫌なことがあったり
自分を変えたいと思ったり
新しいことに出会いたいと思ったから
旅に出ることにした。
大それた旅じゃない。大切な休日を1日使う。
目的なんて無い。
というのはうそになる。誰か私をびっくりさせてって望みはある。
とりあえず、地図なんか見ないで道を歩く。
そんな旅をしてみると、空気ににおいを感じる。
空の色って常識で「青」って知ってるはずなのに
あぁ、空って青かった
なんて気づいたりする。
風が体をすり抜けるなんて、ありえないことのはずなのに、心にすーっと吹く。
道端の猫を見て話しかけてみる。
猫に日本語が通じるなんて思ってもいないくせに。
「なんで来ないんだよ」なんて思ったりして。だから言葉は通じないんだってばって自分にツッコミ入れてみたり。
そんなことばかりして、ひたすら歩いていく。
この時点で非日常の世界にドップリ浸かっている。
このあたりでふと気づく。
悩み、どこに行ったの?
悩みが迷子になったようですが、私は探しに行きません。
私の心から次々と悩みが消えていったころ
見えてきた赤い鳥居をくぐる。
神社にたどり着いたら。
神様にお願い。
お願い?ちがいます。
報告します。
「ここに来るまでに悩みが消えちゃいました」
人生という旅のゴールはどこ?
幸福を掴んだとき?
死んだとき?
500年前の偉人も
1000年前の偉人も
いまだに人の心の中で生きてるんだから
長い旅になりそう。
旅の面白さって何が起こるかわからないこと。
人生の旅の最中は思いがけないこといっぱい。
いっぱいありすぎて疲れちゃうほどに。
引き返すか、進むか、止まるか。
人生の旅は引き返せない。
進む先には悪いことばかりでないことを知ってるから。ゆっくりでも進みたい。
幸運のビックリも不幸のビックリも旅の醍醐味と思って。
目の前に大きな山があれば
頂上を目指そう。
頂上は晴れ渡っている輝かしい景色か。
雷雲立ち込める世界か。
どちらにせよ、山の天気は変わりやすい。
晴れも雨も楽しんで、いろんな景色を見ながら進めば
人生は楽しいことしかない。
何か見たり
何か聞いたり
何かに触れたとき
心の「トクン」という音が聞こえたら
新しい旅に出る合図。