神の世界の歴史
何も無い無の世界に高天原ができる。そこは神々が住むこととなる世界。
そこでどこからともなく誕生した、あめのみなかぬしのかみ が神の歴史上一番最初に誕生する神であった。
その後、たかみむすひのかみ、かみむすひのかみ (3神を合わせて造化三神と言います)
が誕生し、後に次々と神が誕生し、別天神の誕生、そして、神代七世(計12神)と時代が流れていく。
(造化三神や別天神については、「【わかりやすい】日本の神様~天之御中主神~」の記事で書きました。)
ここまでの歴史はあまり語られないため、有名ではないが、神代七世の最後に誕生するのが、有名な
伊邪那美(いざなみ)と伊邪那美(いざなみ)である。
多くはこの時代から語られることが多い。
そして今回紹介するのは、
伊邪那美が産んだ「日之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)」である。
イザナギとイザナミが結ばれた経緯
伊邪那岐と伊邪那美は夫婦であり、もちろん、子供を産むこととなる。
伊邪那岐と伊邪那美以前の神々には性別はなかったが、この2神から男女の概念が生まれることとなる。
夫婦になった経緯はこうである。
舞台はオノゴロ島である。
オノゴロ島とは、伊邪那岐と伊邪那美が矛を海に突き刺し、持ち上げると塩が固まって島々ができていったという神話(国生み)で出来上がった島である。
ここにある「天の御柱」でのできごと。
イザナギは柱を左回りに回り、イザナミは右回りに回った。
出会ったところでイザナミはこう言った。
「素敵な男性・・・・」
そしてイザナギはこう返した。
「なんて素敵な女性・・・・」
こうやって結ばれるのだが!
生まれた子供はヒルのように骨がない子供。
名前を「蛭子神(ひるこかみ)」と言います。
残酷な話ですが、蛭子神を海に流してしまいます。(残酷すぎるのでネタバレしときます。大丈夫!大丈夫なんです!神様ですからね。蛭子神は後にえびす様として国に戻ってこれますから!)
そこで、イザナギとイザナミは天に相談するんです。
「どうすれば・・・」
天は言いました「柱で女性の方から声をかけたからだろう」
そして、やり直すのです。次はイザナギの方から声を掛けました。(男らしいですね)
次に生まれたのが、
ヒノカグツチです。
イザナギとイザナミの記事も読んでみて下さい。
火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)
イザナギとイザナミの間に生まれたのは、火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)です。
ここでまた、壮大な運命の転換が起こります。
ヒノカグツチは炎をまとって生まれてきました。
ヒノカグツチハ「火の神様」としてあがめられているのは、誕生の際に炎をまとっていたからです。
その炎はカグツチが生まれる際にイザナミの陰部を焼いてしまいました。
その傷のせいでイザナミは命を落としていまうのです。
イザナギはもちろん激怒します。
ヒノカグツチを剣で斬り、殺してしまいます。
(このときに飛んだ血が剣の神様タケミカヅチの誕生となります)
このときにイザナギが使ったと言われる剣は有名ですので、名前だけなら聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
十拳剣(とつかのつるぎ)であるアメノオハバリです。
※神話に出てくる剣をすべて「とつかのつるぎ」と言います。
ここまで読んで、あれ?今、神様ってイザナギ1人になってない?この後神様生まれていくんじゃないの?八百万の神って言葉はどうしたの・・・
と思った方、ちょっとだけ時間を巻き戻してみましょう。
イザナミがヒノカグツチを生み、傷を負い・・・・ここです
この苦しみから、イザナミハだんだんと衰退していってしまいます。
その最中、イザナミの体から「フン」「尿」「嘔吐物」が出て、それぞれ神様となりました。
「フン」からは
・ はにやすびこの神
・ はにやすびめの神
「尿」からは
・ わくむすびの神
・ みつはのめの神
「嘔吐物」からは
・ かなやまびこの神
・ かなやまびめの神
が生まれたんです。
そして、イザナギはイザナミを失ってとても悲しみ、悲しんで黄泉の国に向かうんです(神話)。
読みへの入り口は、「黄泉平良坂」というところと言われています。今の島根県松江市にはその伝説が残っています。
イザナギが黄泉の国から帰ってきた後については、こちらの記事で書きました。
ヒノカグツチを祀る神社
愛宕神社(あたごじんじゃ)、秋葉神社、火売火男神社(ほのおほのめじんじゃ)など
ヒノカグツチのご利益
火難避け、産業
おわりに
ヒノカグツチは、わりかし有名で、名前を聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
漫画、ゲームでもカグツチの名前はよく使われているので、「どういう神様なのかは知らないけど、名前だけなら知ってるよ」という方もいるのではないでしょうか。
神話の中でもヒノカグツチの誕生部分は、とても深い意味を持ち、考え深いものです。
ここから一気にたくさんの紙が生まれていくことになりますし、イザナギとイザナミが結ばれたことや、悲しんで黄泉の世界に行くことなど、人間の感情を垣間見れる歴史へと動いていきます。
ヒノカグツチは、炎の神様です。イザナミが亡くなる原因となりましたが、ヒノカグツチがまとった炎は現代の産業を大きく発展させました。火というのは、太古の昔に人間が火を使うようになってから文明の真価が早まったことなど、火の役割はとても大きいものです。
ヒノカグツチファンの方、興味を持った方はぜひ、イザナギやイザナミ、ヒノカグツチを祀る神社へ手を合わせに行ってみてください。
参拝に不安という人は、正しい参拝方法についての記事も参考にしてみて下さい。
以上、御朱印マニアの「はりね。」でした。